イヤイヤ期に伸ばしてあげたい大切な力
イヤイヤ期といえば、ややこしくて大変な時期を
どうやり過ごすかということに注目されがちですが、
自我の芽生えという大きな成長の一段階なのです。
自分で自分の心を意識して、
自己主張ができるようになってきたのです。
自分はこうしたい、自分はこれが好きと
はっきり意識して主張します。
自分で決めて自分で行動すれば、
しれに伴って生じるのは『責任』です。
自我の芽生えは責任の芽生えといえるのです。
2歳ころにしつけてあげたい大切なことは、
『責任』を感覚的に経験させてあげることです。
『責任』というと重く難しく感じますが、
自分で決めたことや、したことの結果を感じさせてあげたり
言葉にして伝えてあげたりしてほしいのです。
例えば、お母さんが「外は寒いから、上着を着よう。」
と言っても「いや、着ないの。」と子どもが決めたなら、
無理に着せたり、ごまかして着せたりするよりも、
着せずに外に出て寒さを感じさせてあげてほしいのです。
風邪をひくまで放っておく必要はありません。
「上着を着ないと、寒いね。」と言って
上着を着せてあげればいいのです。
子どもが転んだ時、転んだ姿勢のまま
じっと動かないことがありますよね。
そんな時、何を考えどんなことを感じているのでしょう。
≪ころんだ、自分で走って自分でころんだ。
痛いかな?ちょっと痛い。自分がころんだから自分が痛い。
自分でころんだから、自分で起きるしかないな。≫
こんな風に、子どもなりに責任をちゃんと感じているのです。
そして、起き上がってこう言います。
「ころんじゃった。」
歩き始めの頃は、自分で転んでも誰かに押されて転んでも
痛ければ泣き、平気なら起き上がっていました。
しかし2歳ころになると、自分で転んだときは
少々痛くても我慢して立ち上がることができます。
自分の行動の結果を受けとめる力が育ってきているのですね。
転ぶたび、すぐに抱き起こしてしまうと
この『責任』を感じる暇もありません。
何でも自分でやりたがる時期ですが
まだまだ幼く、できないことも失敗することもたくさんあります。
そんな時こそチャンスと捉え、
「難しかったね。」と行動の結果を
受けとめている子どもの心に寄り添い
『責任』の芽を伸ばしていってあげてください。
魔の2歳児とも言われ、大変さばかりが強調されますが、
自我とそれに伴う責任の芽生えという大切な時期です。
どうぞ2歳児期のしつけを丁寧にしていってくださいね。
Sachiko
長年、保育士として多くの子どもたちと関わってきたが、発達凸凹児な息子の通学に付き添うため、息子の就学を機に保育の現場を離れる。子ども用品の裁縫やウクレレを趣味としており、現在小学2年生の息子と凸凹な毎日を謳歌中。
息子にとって「わかりやすい生活」は、みんなにも「わかりやすい生活」。そんな生活づくりを日々目指している。
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