父のこだわりは、しっかり子に受け継がれています
私の父は、戦争を経験しました。
この世代の「お父さん」といえば、
育児は母親にまかせっきり、というのが普通で、
本人もそうだったと話しています。
それでも、「家庭を大事にできないヤツに、
まともな仕事はできん」と上司に言われてから、
時には早く帰ってきたり、
週末に遊んでくれたりしました。
そんな父にも育児方法があって、
私たちが小さい時は鈴を結び付けていたそうです。
小さい子はいつどこに行ってしまうか分からない。
だから、鈴をつけていれば、
離れると音が小さくなるのですぐ気づくことができた、と。
父なりに考えた、なかなかいいアイデアだと思いました。
そんな父の育児には、ひとつこだわりがありました。
それは「靴選び」。
成長のためにも足は大切で、
変な靴は履かせない、というものでした。
ですから、流行りのキャラクターものの靴は、
絶対買ってもらえませんでした。
でも、そのことが私の頭の片隅にあり、
私も靴選びにこだわるようになりました。
靴だけはたとえ兄弟の間でも、
それぞれの足の癖があるので、
お古を履かせていません。
また、歩き始めや2~3歳くらいまでは、
かかとのしっかりした、スクラッチではなく
紐の靴の方がいいと靴屋さんに勧められ、
そういった靴を選ぶようにしています。
子育てにあまり参加できなかった父も、
育児へのちょっとしたこだわりは娘の私へも伝わりました。
父の静かでいて強い信念は、
時をかけて確実に子へと受け継がれていたということですね。
ドゥロー ユミコ
フランスにてプロとパパママ友と一緒に、親がボランティアで経営に参加するモンテッソーリ教育の保育園を創設。
音楽の仕事をしながら、その経営に携わっている。理解のあるフランス人夫とともに、日本とフランスの子育ての違いから
「いいとこどり」をして楽しい育児を目指す、6歳、4歳、2歳の3児のママ。
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