「フランスの子ども達の親友、その名も『ドゥドゥ』
長男を出産した時、
驚いたことがありました。
それは、出産祝いにたくさんの
ぬいぐるみをいただいたことです。
大きな箱、ひと箱分はあったと思います。
ぬいぐるみはかわいいのですが、
なぜこんなにたくさんいただくのか不思議でした。
でも、長男が保育園に通い始めたらその謎は解けました。
実は、フランスの子ども達は
それらを『ドゥドゥ』と呼んで、
肌身離さず持ち歩いているのです。
フランスでは、赤ちゃんは
生まれた時から自分の部屋を持ち、
ひとりで就寝します。
また、共働きが多いフランスでは、
子どもを赤ちゃんの頃から保育園やヌヌーといわれる
ベビーシッターなどに預けることが多くなります。
親から離された赤ちゃんは、
それが自分の家であっても、
またどんなに預け先の方が素晴らしくても、
やっぱり寂しくなるものです。
そんな時のためにフランス人の親は、
赤ちゃんが気に入りそうなぬいぐるみや布など、
とにかく赤ちゃんが
「それがあると安心できるグッズ」を与えます。
すると、
その物の感触や匂いで赤ちゃんは
安心して、ひとりで眠ったり、
保育園で一日過ごしたりすることができるのです。
また、急に機嫌が悪くなって泣き出した時に
ドゥドゥを渡すと、
不思議と落ち着いて泣き止んでくれます。
ただこのドゥドゥ、
忘れたりなくしたりすると大変なことになる、
というデメリットがあります。
生まれた時から一緒に過ごした相棒ですから、
赤ちゃんには「代わりのもの」はないのです。
それがなくなると、
もう泣くわ喚くわの大騒ぎ。
ドゥドゥに神経質になっている
親御さん方をみると、
ちょっとかわいそうになります。
そんなフランス事情を知らなかった私は
ドゥドゥを与えることもなく、
5ヶ月になった長男を保育園に預けた時に保育園の先生から
「何か、お母さんの匂いのするものを持ってきて欲しい」
といわれました。
仕方なく、一晩タオルと一緒に寝て
それを与えたので、
私の子ども達のドゥドゥはいつもタオル。
そして、物心がつくと、
周りのみんながぬいぐるみを持っているのをみて、
自分のお気に入りのぬいぐるみを選んでドゥドゥにしています。
このドゥドゥは
その日の気分によって変わることもあるので、
なくしても心配のないのが幸いです。
ちなみにちょっと古いのですが、
2010年に『みんなのうた』で流れていた
ミチルカさんの『天の川』という歌のアニメーションは
フランス人が手がけたので、
子どもがドゥドゥを持っている様子が描かれていますよ。
ドゥロー ユミコ
フランスにてプロとパパママ友と一緒に、親がボランティアで経営に参加するモンテッソーリ教育の保育園を創設。
音楽の仕事をしながら、その経営に携わっている。理解のあるフランス人夫とともに、日本とフランスの子育ての違いから
「いいとこどり」をして楽しい育児を目指す、5歳、3歳、1歳の3児のママ。
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