かわいい子には、道草をさせよ!? 子どもの感性を育む15分

かわいい子には、道草をさせよ!? 子どもの感性を育む15分

 

お子さんを保育園や幼稚園に預けて働くパパ・ママ
毎日が時間との戦いですよね。

特に朝は、大量の子どもの着替えや
持ち物に加えて自分の荷物
「あ!今日はゴミの日だ!」
「やだー、雨降ってる!!」となると
手が何本あっても足りないような状態になりますね。

私の娘も、ずっと保育園でお世話になっていました。

毎日徒歩で登園していたので
朝夕2回、歩きながらいろんな話をして
子どもとコミュニケーションを取れたことは良かったですが
娘の荷物が重く、仕事の資料も多かったので
背中を痛めたこともあり、正直かなりきつかったです。

しかし、そんな私の苦悩をよそに
毎朝夕の登下園時の娘は
「ママ、このおはな、なんていうなまえ?」
「あ、みて!しろいちょうちょがいたよ!」
「このおはな、せんせいにあげるんだ」
大人の足では10分ほどの道のりで『 探検 』を始めます。

朝は「あー、もう⚪︎分の電車に間に合わないよ!!」
夕方は「早く帰って、夕飯つくって、洗濯して、寝かせて…」
と、こちらは時間にも気持ちにも余裕がなくイライラ。

そんな、鬱憤がたまっていたある日
保育園の先生からの連絡ノートに
こんなことが書いてありました。

「ひーちゃんが、
いつもキレイなお花を持ってきてくれるので
教室や玄関が華やかで嬉しいです。
ありがとうございます!」

実際は、落ちている枯れかけた花や
虫の喰ったドングリを持っていってるだけ
だったのですが
そんな風に言われると、何かジーンと響くものがありました。

70 子ども コミュニケーション写真1

 

 

 

 

 

翌日、いつもより少し早く家を出ました。
「ママ、このいし、ハートのかたちだよ!」
「このおはな、キツネのかおみたいだね」
「わんちゃん、かわいい〜!」と

いつもより少し、娘の思う通りにさせてみました。
娘は、いつもよりたくさんのお土産を手に
両手がいっぱいで、私にバイバイはできなかったけど
自慢げに園に入っていきました。

それからしばらく、どうにか時間をやりくりして
毎朝、15分早く家をでて
娘の探検に付き合う時間を作るようにしました。
私自身も「こんなドングリの形あったんだ!」など
新たな発見があり、子どもとのコミュニケーションも増えました。

子ども コミュニケーション写真2

 

 

 

 

 

 

あれから何年も経ちましたが
季節ごとの花の色や空の雲のかたち
触った葉っぱの感触や雨のにおい…

彼女が
些細なことを敏感に感じとれる感性を持っていると感じるのは
あの時の寄り道のお陰かもしれません。

さまざまなことに興味をもつことは素晴らしいことと
頭ではわかっていながら、日々の忙しさで焦りの方が上回り
なかなか寛容なきもちを持てないものです。

しかし、大人の目線からみたら、ただの道端の石ころひとつでも
子どもにとっては、宝物のように輝いているものです。

特につくられたものではない、
自然から教わることは沢山あり
そこから紡ぎ出される子どもの発想力にも、
素晴らしいものがあります。

「感性やセンスは、1日にしてならず」

これは、長くデザインに携わる人間として、
常々私が感じていることです。

ほんの短い時間や経験の積み重ねが、
子どもの中に深く蓄積されることもある

そう思ったら
忙しい中でもすこし、お子さんと一緒に道草してみませんか。

自分の目や手を通して、感じるココロを育んであげたいものです。

 


プロフィール石田 治香(いしだ はるか)
長くアパレル業界で、服飾雑貨の企画デザインを手掛ける傍ら、趣味のスポーツ関連や子育てに関するコラムやblogを発信。
「衣食住を、カラフルに楽しく♪」をモットーにハンドメイド・インテリア・お料理・アートなどを通してひとり娘との暮らしが輝くようなちょっとしたアイデアを、日々模索中!