どう叱ったらいいの?③“叱り上手”は“褒め上手”

 

叱る前の心構えを中心に
「どう叱ったらいいの?①②」では書きました。

今日は叱っていいことについてです。

それは「ルールを守る」ということ。
周りのみんなが気持ちよく暮らすためだからね。
実はきみが気持ちよく暮らすためだからさ。

初めて積み木を触った日、
この日積み木を、投げたら「ダメ」って
お母さんお父さん、強くしっかり短く言いましょう。


理由はいりません。

大事な人が言っている「ダメ」だから大丈夫。

長い話は理解できないので、理由を言う必要はありません。
理由はいらないのです。
「どうして援交はダメなの?」って聞かれて、
理由で納得させられなかったらいいんですか?
そう理由ではなくて、ママが悲しいからダメなんです。


だから、しっかり低い口調で短く顔をしかめて言います。

この全部が大事です。


逆に褒める時は、

高い声で目を大きくして眉毛の間を広げるようにして言います。


子どもたちは言葉の内容ではなくて、

様子全体の感じですね。
だから、見た感じも、声も、
褒めている時と怒っている時は、
異なるように分かりやすく言います。

さあ初めての積み木、
一度投げて「だめ」って言われてそれでやめるか・・・?
10分後にまた投げたらどうしますか?

「だめ」ってお子さんの前でしっかり言って、
片付けましょう。

積み木はまだ、その子には早かったんですね。
少なくとも今日は止めましょう。
そしてママの「ダメ」はけっこう「ダメ」なんだと思い知ってもらうことです。


ここで揺らいではいけません。

約束を守らないと困るのです。

ぎゃん泣きしてもダメ。
5分も泣かしておくと泣き方もおとなしくなって、
こちらの様子を手の隙間から見ますね。
チャンスです。

「積み木は投げたらダメ。
だから出せない。
お約束が守れるようになったらまた遊ぼうね」
と言ってあげればいいのです。

次は絶対投げさせたくないので、
1週間後、1か月後くらいに、
「投げない約束だよ」
といってルールを言ってから出して、
そして飽きる前にしまいます。

 

もうちょっと遊びたい・・・くらいで、一緒に片付けられるといいんですけどそこが難しい。
でも投げないで遊べたらすごい褒めてあげてくださいね。
それが大事です。


叱り上手はほめ上手です。

叱る時は、みんなが困るルールは何としても守る。
でも叱る時は、短く、そして毅然と
なんといってもダメですが、
言い渡したら、叱ることもおしまい。
10分くらいで気分を変えてあげてくださいね。


そして、同じようなことを繰り返さないためにも、

次にはちゃんと成功させてそして褒めてあげてください。

ルールを守ることは、自分も周りも幸せになることだからね。

 

makisensei

 

学校法人弘道学園 秩父幼稚園

園長 柴原 眞紀

 

大学卒業後、某大手出版社・公立中学校の先生を経験。現在の理事長兼慈眼寺住職(幸保さん)と結婚。2004年、当時、少子化と過疎化により、廃園の噂が出るほど危機的な状況だった秩父幼稚園園長に就任。その後、娘二人の不登校問題に直面。我が子の子育てに母親の役割、家族の意味を考え、ママたちの育児ストレスをどう解決するのかという問題に教育者としての視点から向き合うことの大切さを痛感。その後、自らの経験と園児と保護者とのかかわりによる気づきをもとに、園児とその家族を支援していくという方針を立ち上げ、「みんながはっぴーに」なる幼稚園として、秩父幼稚園を再生。現在は、秩父保育園・秩父幼稚園が一体化した認定こども園として、どんな子どももご家庭も支援する学園づくりに奔走。