どう叱ったらいいの?②“叱る”ために一番大切なこと

 

「どう叱ったらいいの?①」に引き続き、今回はもっと具体的に・・
まず、年齢ですね。

1歳までは、あまり怒ることもないですね。
ハイハイしたりすると、行動範囲が広がるので
「熱い」
「痛い」
ということを教えてあげる時ですね。
ちょっと熱い物
(ちょっと熱いスプーンを触れさせたり)
ちょっと痛い物
(フォークの先やペン先でつついたり)
そういうものを、
ちょっと怖い顔で、痛そうな顔で
「痛いよ痛いよ」
といって体験することあってもいいのです。
2~3回くらいね。

そして、
「あ~痛かったねかわいそうね。
大変だったね。ほらもう大丈夫よ」
と優しくてあげてください。

そして、お母さんが怖い顔をして、
「熱い」「ダメ」っていうことは、
ほんとに痛いんだ。
熱くて嫌なんだってことを伝えてください。

そうしたことで怖いことを体験して、
それも守ってくれるいい人という役目を、
お母さんがしっかりすることが大事です。

大好きな人が自分を守るために、
怖い顔をして言うことは止めよう。

基本はこれです。

きっと、この繰り返しですね。
1歳くらいではそれがお母さんの目の前で起こります。
3メートル離れて怖くてお母さんの膝に戻ります。

それが公園の庭で10メートルになります。

怖いこと、痛いこともあるけれど、
ママが見えているところをだとだんだん離れて行けて、
一人でちょっと遊んでみる。

転んだりぶつかったり、
目の前を5歳の子が駆け抜けたり、
「ママ~」と泣いてママにもとに駆け寄ります。
お母さんはとにかく笑顔です。
両手を広げて笑顔で迎えてあげましょう。

痛かったね、あ~びっくりしたね。
と、お子さんの気持ちがママにはわかっているよって、
サインのつもりで言葉にしてあげて。
その上で、

「大丈夫だよ。ほらもう痛くないよ。
もうお兄ちゃんはいないよ。」

とか、ちゃんと不安なことはなくなったよ
と安心させてあげることを言ってあげてください。

そんな、怖いことがあっても、ママのもとにもどると大丈夫。

それが、だんだんはなれて幼稚園にいって学校に行って、
見えないところまで離れて一人でがんばって、
いろんな辛いことがあっても家にかえってお家の人からの元気をもらって
また明日頑張れるって思えるのです。

だから、それが大事なことです。

小さなお子さんの出来事は、
90%は穏やかな気持ち、
10%くらい困ったりして、
でも、大丈夫。
お母さんが守ってくれるという安心感が大事ですね。

ここでも基本は、お家の人との愛情いっぱいな気持ちですね。

 

 
makisensei

学校法人弘道学園 秩父幼稚園

園長 柴原 眞紀

 

大学卒業後、某大手出版社・公立中学校の先生を経験。現在の理事長兼慈眼寺住職(幸保さん)と結婚。2004年、当時、少子化と過疎化により、廃園の噂が出るほど危機的な状況だった秩父幼稚園園長に就任。その後、娘二人の不登校問題に直面。我が子の子育てに母親の役割、家族の意味を考え、ママたちの育児ストレスをどう解決するのかという問題に教育者としての視点から向き合うことの大切さを痛感。その後、自らの経験と園児と保護者とのかかわりによる気づきをもとに、園児とその家族を支援していくという方針を立ち上げ、「みんながはっぴーに」なる幼稚園として、秩父幼稚園を再生。現在は、秩父保育園・秩父幼稚園が一体化した認定こども園として、どんな子どももご家庭も支援する学園づくりに奔走。