ほめるって上から目線?一緒に喜んじゃいましょう

ほめるって上から目線?一緒に喜んじゃいましょう

 

「ほめるって難しい」
ってよくお母さん方が口にします。

褒めるというと、山の頂上の向かっている時に、
今半分まで来たよ、よく頑張ったね。
さあこれからまた、この道を行ってみようね。
次の目標地点まで頑張ってと先を見越して言う感じがします。

子ども達どうしを見ているとほめあっているというより、
一緒に喜んでいる感じですね。

なかなか飛び箱六段跳べなかったお友達が、やっと跳べた瞬間。
先生が大きな声で
「Yちゃんすごい。跳べたね。よく頑張ったね」
と言いながら跳んだYちゃんを抱きしめます。

その声に、八段を練習している子も一緒に六段を練習している子も
みんな一斉に練習を止めて、
「すげえなあ」
と言いながらさざ波のように拍手が起こりました。
本人もすごく嬉しそうです。

子どもたちはいつでも自分の限界に挑戦して、成長をしています。
昨日できなかったことが出来た「今日」にみんな心から称賛します。
喜び合います。
これは、子ども達みんなが挑戦しているから、
成し遂げた時の喜びも達成感もしっているのです。

だから、一緒に喜ばずにはいられないのです。
できることが増えたその瞬間、
自分の枠を壊し拡げたその努力をみんなで喜びます。

うちの子ほめるところがなくて・・・・とこぼすお母さん。
我が子の応援団長、ファンクラブ会長っていうノリも大事です。

手塚治虫さんのお母さんのお話です。
小学生だった手塚さん、授業中も夢中で漫画を描いていたそうです。
当然先生に叱られます。
お母さんも、学校に呼ばれます。
担任の先生に小学生の手塚さんと並んで
お説教されたお母さんは先生に丁寧に頭を下げました。

家に帰ってからお母さんは手塚さんの漫画を見て手塚さんに言いました。
「これおもしろいわね」
この一言で手塚さんは漫画になっていきます。
大好きなお母さんが認めてくれたからです。

お子さんは大好きな人に褒めてもらいたいのです。
認めてもらいたいのです。

5歳くらいまではまだ感情をうまく表現できません。
夕方遅くにやっとお迎えに来たお母さん。
待っている間中
「まだかな~」「今、何時?」
と時計ばかりを気にしていたのに、
お母さんの顔を見たとたんに、カバンを投げ出して靴もなかなか履きません。

お母さんから見たら、
やっと仕事を終えて急いできたのに我が子はカバンは投げる帰る気はない、
そんな我が子に疲れは百倍。ため息もでます。
誉めるところなんてないですよね~。
さあ、こんな時
「ありがとう待っててくれて」
と抱きしめてあげましょう。十秒でいいです。

お子さんにとってはお母さんの都合で待っていたんです。
いっぱいほめてあげましょう。
お子さんはまだ嬉しさと我慢し続けた気持ちが混乱したんですね。
許しあげてください。
お母さんはおかげでお仕事頑張れたよ・・・・
ありがとうと伝えましょう。

 


makisensei

 

学校法人弘道学園 秩父幼稚園

園長 柴原 眞紀

 

大学卒業後、某大手出版社・公立中学校の先生を経験。現在の理事長兼慈眼寺住職(幸保さん)と結婚。2004年、当時、少子化と過疎化により、廃園の噂が出るほど危機的な状況だった秩父幼稚園園長に就任。その後、娘二人の不登校問題に直面。我が子の子育てに母親の役割、家族の意味を考え、ママたちの育児ストレスをどう解決するのかという問題に教育者としての視点から向き合うことの大切さを痛感。その後、自らの経験と園児と保護者とのかかわりによる気づきをもとに、園児とその家族を支援していくという方針を立ち上げ、「みんながはっぴーに」なる幼稚園として、秩父幼稚園を再生。現在は、秩父保育園・秩父幼稚園が一体化した認定こども園として、どんな子どももご家庭も支援する学園づくりに奔走。