オール電化が自己肯定感を減少させる?!

オール電化が自己肯定感を減少させる?!

オール電化などといって

ボタンひとつでお湯が沸くような便利な時代です。
私が子どものころは、御ふりは薪で沸かしていて、
私は薪をくべる役をやらされていました。
当時はイヤでしたが、いま思えば家族の一員として役割があったということです。

それをすることがみんなのためになる。
だから自分の肯定感にもなりました。
ある意味、貧乏だったことが幸せだったと言えます。

貧乏だったから小さな子供も一家の貴重な働き手として
その役割を担えました。

もちろん、畑仕事も手伝わないわけにはいきませんでした。
肥だめから肥をすくい一斗缶に入れて、
それを天秤棒で両肩に下げて畑まで担いでいきます。
どうしてもピチャピチャこぼれるのですが、我慢して20分くらい行きます。

それをやったからといって親父がなにか労働の対価を与えてくれたかというと
そんなことはありませんでした。
でも、近所のおじさんやおばさんが
「よくやってるね」とおやつやみかんをくれたのが
すごく嬉しかった思い出です。

子どものお手伝いに報酬を払うのがいいとか悪いとか
そういう話ではなくて
やったことに対して認めてあげるのが、大事だと思います。
それが子どもの意欲につながり、
家庭のなかで役割を果たしているという意味での自分の存在感
自己肯定感を育んでいくのだと思います。

いまの若い親御さんのご両親は
高度経済成長期を生きてこられた方です。
自分たちのような苦労を子どもにはさせたくないと
大事に育てられた親御さんも多いと思います。

そのせいかわかりませんが、
子育てに不安を感じる方も多いように思います。
だからこそ意識して子どもにはお手伝いをさせるようにしてみてください。
なにかが欲しいと言われたときも、無条件に与えるのではなくて
家族の一員としての役割を果たせるようになにかさせることです。

毎朝新聞を取ってくるとか、ご飯の前にテーブルを拭くとか
子どもができることをさせて
一週間たったら「よくやったね」と、
なにかご褒美を買ってあげるというのがいいのではないでしょうか。
こうしたことは、スモールステップで成功体験を
積み重ねていくのが効果的なのかもしれません。

そして子どもと同様に親自身が
自己肯定感を育むことも大切です。

そのためにできることのひとつに、時間を守るということがあります。
「子どもが小さいから遅くなる」
という言い訳をするのではなく
小さいからこそ早めに準備し、生活スタイルを変えてみてください。

親自身が、子育てを通じて行動を変えながら、
週間づくりをし直していくことをすすめます。

 

 


yamamurasensei山村 達夫

宇都宮市在住。
まこと幼稚園理事長・園長
社会福祉法人藹藹会理事長
福島学院大学福祉心理学部非常勤講師。

教育と福祉を基盤に、実践に裏付けされた臨床的教育研究を行っている。また、障がい者施設・保育園の運営に携わっている。主な著書に、絵本「フィリーがドキドキした夜のこと」(随想舎)、「0歳からのことば育てと子どもの自立」(共著:合同出版)など。近年はFM栃木“RADIOBERRY”「まことーく!」「今日も“わきあいあい”」、CRT栃木放送「HAPPYLOOPはここから」にも出演。多岐にわたり活躍中。