子どものわがままに向き合う
日本地図も北海道が上にあって弓なりで・・・
日本を中心に見ていると、
ついそういう姿を思い浮かべますが、
ヨーロッパ大陸から見ると
石川県の金沢あたりが真ん中にきます。
視点を変えてヨーロッパから見れば
日本は縦長ではなくて、横長に見える。
そんなふうに視点を切り替えてみるというのは、
生き方としても有効なことなんじゃないかと思います。
たとえば五月病という言葉があります。
幼稚園でも小学校でも
入園・入学して、
新しい環境で大変だなあ、
疲れたなぁ
馴染めないなあ
なんて思っている子ども(親御さん)も多いことでしょう。
そんなとき、
もう幼稚園に行きたくない
だれかとケンカしたと我が子から聞くと
先生は何をしているの?
相手の子が悪い子なんじゃないの?
と考えてしまいがちです。
でも、そんなに単純なことなのでしょうか。
私の経験でひとつ、こんな例がありました。
ある園児が登園のときに
幼稚園の門で毎日暴れて
「おうちに帰りたい」
と言うのです。
私達には最初その理由が分かりませんでした。
子どものわがまま、反抗期なのかと思いました。
ところが、
あることをきっかけに
私たちの想像を超える理由があったことが分かりました。
実は、そのときご両親が離婚の話し合いをされていたのです。
親は子どもに気づかれないように
こっそりと話し合っていたつもりでした。
ところが、なぜか子どもはそのことを察していました。
自分が幼稚園にいる間に
お父さんお母さんがいなくなったらいやだと思って
行きたくないと訴えていたのです。
子どもというのは、親が考えている以上に
親のことをよく見ているということですね。
この例からもわかるように、
子どもに何か問題が起こったとき、
親は原因が外にあると思いがちですが
実際は家族間や親自身に
原因がある場合も多いのです。
ですからトラブルがあったときは、
他者の問題、他者の責任にするのではなく、
まず自分たちの側に問題はなかったのかと
視点を切り替えて考えることが大事だと思います。
だれでも自分の中に
問題の理由や原因を求めることはイヤなものです。
しかし、そこは勇気をもって
子どものために見つめ直してください。
思い込みを避けて
視点を切り替えて考えた結果
原因が自分にあると思ったとしても
それで子どもがより良く成長するなら、
それでいいじゃありませんか。
山村 達夫
宇都宮市在住。
まこと幼稚園理事長・園長
社会福祉法人藹藹会理事長
福島学院大学福祉心理学部非常勤講師。
教育と福祉を基盤に、実践に裏付けされた臨床的教育研究を行っている。また、障がい者施設・保育園の運営に携わっている。主な著書に、絵本「フィリーがドキドキした夜のこと」(随想舎)、「0歳からのことば育てと子どもの自立」(共著:合同出版)など。近年はFM栃木“RADIOBERRY”「まことーく!」「今日も“わきあいあい”」、CRT栃木放送「HAPPYLOOPはここから」にも出演。多岐にわたり活躍中。
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