小1プロブレムと9歳の壁

最近気になる記事がありました。

小1プロブレムについての記事です。

これは、小学校に入学する子どもたちが、
落ち着いて座っていられない、
急に立って走り回るなどなど、
問題行動を起こすことを言うそうです。

幼小の関係性を構築し、小1プロブレムをなくそうと、
研修が行われたある県があります。

この研修の中で、小学校側が考えていることと、幼稚園が行っている教育で、
ミスマッチが起こってしまったケースがあるようです。

独自性を出そうとして、英語に特化をしたり、体育に特化をしたりと
何かのコンテンツで差別化を図っている幼稚園に対して、
小学校側は、小1プロブレムの問題もあり、
もっと基礎習慣や生活習慣といった、基本的なことを身に付けてほしい
という要望があるからです。

英語を行うことが悪いと言っているのではなく、
それによって、基本的なものが抜けてしまっているのではないか?
という議論なのだと思います。

ただ英語をやればよい、
ただ何かに特化をしてやればよい、
色んな法人や企業が学童保育や認可外保育所に参入することによって、
その価値や専門性、差別化要因を全面に押し出すところも多くなり、
失ってしまっていることもあるんだなと感じます。

9歳の壁、または小4の壁というものも昔から話題に上がります。

これは9歳から、分数や文章題などが勉強に登場することで、
学習のレベルが上がり、子どもがその学習についていけなくなることを言います。

また、最近ではその学習についていくための基礎は
幼児期やそれまでの児童期の「遊び」が影響しているという研究成果が発表されたようです。

ただ何かに特化して、幼い子どもに学習を指導することで、
遊ぶ時間が少なくなったり、基礎的な生活習慣が身につかなくなることは、
小学校に上がった子どもたちに影響を与えるということです。

0歳~9歳のシングルエイジは、学習ももちろん大切かもしれませんが、
遊びや体験も重要だということだと思います。

どちらにしても、今後は幼稚園と小学校の関係性の構築は
両者にとっても大切になってきます。

今からでもしっかりと関係性を構築しておきましょう。

 

 

hayashi

林 勇希

株式会社Gクリップコーポレーション
執行役員 経営コンサルタント


幼稚園を中心とした子どもに関わるビジネスの経営コンサルタント。

幼稚園・スポーツクラブにおいての学童保育立ち上げ提案、幼稚園の園児募集、スイミングクラブの会員募集、保育所立ち上げなど、子どもに関わる幅広いビジネスにおいてコンサルティングを経験。現在は私立幼稚園、こども園に特化した“ベストマッチング・サービス”を提供するGクリップコーポレーションに所属し、幼稚園の園児募集、教育施設への学童参入支援、スイミングクラブ会員募集支援等、教育業界へのコンサルティングを行っている。0歳~9歳の子どもたちの教育を研究し、指導員を育成する一般社団法人キッズコンサルタント協会の理事を務めるほか、元プロテニスプレーヤー杉山愛選手の母である杉山芙沙子氏が開発した幼児向けスポーツプログラムの普及を行う一般社団法人次世代SMILE協会の研究員も務めている。