平成27年度の認定こども園の数はどうなったのか?

 

子ども子育て支援新制度が始まりました。
その中でも目玉となっている認定こども園。

平成27年4月1日時点で、
果たしてどれだけ数が増えたのでしょうか?

認定こども園を巡っては様々な問題がありました。
特に学校法人立の幼稚園が認定こども園になる場合に関しては、
様々な議論が交わされました。

①学校法人立の幼稚園が認定こども園に移行する場合の収入額
実は、昨年の5月に発表された公定価格(園に対する補助額のようなもの)
では、園の収入が幼稚園でいるよりも小さくなってしまう可能性がある
という問題が生じました。
そのため、多くの園が移行に消極的になりました。

②運営面での自由度
特に学校法人立の幼稚園は民間企業に似た性質を持っています。
補助金すべてで運営を行っているのではなく、
保育料をいただいて、それを教育内容の充実や施設整備などに
充てていく必要があるのです。
新制度に移行することで、すべてが補助事業になります。
そのため、運営面の自由度が下がってしまうのです。

少し難しい話も含まれていたと思いますが、
要するに、学校法人立の幼稚園が認定こども園になるということは、
収入面、運営面、教育面など様々なことで変化があるのです。

上記のようなことを理由に認定返上を検討する園も出てきました。

そのような動きの中、国は平成27年度運営補助金案を変更すること決め、
予算編成を行った結果、今年2月に運営補助金が確定しました。

さて、結果はどうなったのか。
認定こども園は増えたのでしょうか?

以下参考までに。
(移行元が幼稚園、保育所に関わらず、認定こども園全体の数です。)

【全国】
昨年4月時点:1359
今年4月時点:2829

【東京】
昨年4月時点:103
今年4月時点:93

【大阪】
昨年4月時点:51
今年4月時点:287

【愛知】
昨年4月時点:24
今年4月時点:58

【福岡】
昨年4月時点:40
今年4月時点:58

【茨城】
昨年4月時点:99
今年4月時点:164
※かなり増加しているので、上げてみました。

東京と福島以外は、すべての県で増加しました。

ちなみに認定返上した園の数は、
全国で126園であったそうです。

多いのか、少ないのか、
それぞれの方の感覚があるかと思います。

私は予想よりも多くの園が移行したなと思います。

今の動きを見ると、これから移行する園は
増えていきそうですね。

今後の動きに注目です。

 

 

hayashi林 勇希

株式会社Gクリップコーポレーション
執行役員 経営コンサルタント

 

幼稚園を中心とした子どもに関わるビジネスの経営コンサルタント。
幼稚園・スポーツクラブにおいての学童保育立ち上げ提案、幼稚園の園児募集、スイミングクラブの会員募集、保育所立ち上げなど、子どもに関わる幅広いビジネスにおいてコンサルティングを経験。現在は私立幼稚園、こども園に特化した“ベストマッチング・サービス”を提供するGクリップコーポレーションに所属し、幼稚園の園児募集、教育施設への学童参入支援、スイミングクラブ会員募集支援等、教育業界へのコンサルティングを行っている。0歳~9歳の子どもたちの教育を研究し、指導員を育成する一般社団法人キッズコンサルタント協会の理事を務めるほか、元プロテニスプレーヤー杉山愛選手の母である杉山芙沙子氏が開発した幼児向けスポーツプログラムの普及を行う一般社団法人次世代SMILE協会の研究員も務めている。