「子ども自身に考えさせたい」は子どものためにならない?
子どもになにか問題が起こったとき、
あるいは選択を迫られたとき、
まずは子ども自身に考えさせたいという親御さんがいます。
「自分で考えてみよう」と
子どもに問題を投げかけたいということですね。
もちろん子どもにも選択させること
考えさせることはとても大切です。
ただし、子どもはまだまだ未熟です。
だから子どもに考えさせるにしても
最終的には親が、どこか着地点みたいなものをもったうえで
考えさせなければ解決には至りません。
着地点とは、落としどころということです。
どこでその問題に折り合いをつけるのか。
その折り合いのつけ方を、
子どものころに学ばせておくことも大切です。
折り合いというのは別の言葉でいうと、
「まあ、しょうがないなあ」
ということです。
世の中の常識から考えて
このあたりが妥当じゃないか
「しょうがないなあ」と思えることが大事です。
ある程度はすじを通すけれど、
ここは引かなければうまくまとまらないというときは
妥協も必要です。
しょうがない、仕方がないという言葉は
私はいい言葉だな、と思っています。
子どもにそれを教えるのは
親の仕事です。
具体的な着地点というのは
そのときどきや、家庭によっても違ってくるのでしょう。
でも、はっきりとした軸が親のなかにあれば
判断はブレないと思います。
たとえば人に迷惑をかけちゃいけないとか
そうすることが世の中のためだとか
卑怯なことはしちゃいけないとか
人間は正直であるべきだとか
そんな断固とした想い
生きていくうえでの軸をもって
子どもの良き相談相手になってあげてほしいと思います。
山村 達夫
宇都宮市在住。
まこと幼稚園理事長・園長
社会福祉法人藹藹会理事長
福島学院大学福祉心理学部非常勤講師。
教育と福祉を基盤に、実践に裏付けされた臨床的教育研究を行っている。また、障がい者施設・保育園の運営に携わっている。主な著書に、絵本「フィリーがドキドキした夜のこと」(随想舎)、「0歳からのことば育てと子どもの自立」(共著:合同出版)など。近年はFM栃木“RADIOBERRY”「まことーく!」「今日も“わきあいあい”」、CRT栃木放送「HAPPYLOOPはここから」にも出演。多岐にわたり活躍中。
この記事が気に入ったら「いいね!」してね