最近よく聞く「叱らない子育て」・・子どもにとっての親の役割とは

最近よく聞く「叱らない子育て」・・子どもにとっての親の役割とは

「叱らない子育て」がいま話題になっているようです。
叱らない子育て?
そう聞くと私はなんだか、居心地が悪くなります。


だって人間と言うのは感情の動物だし、
喜怒哀楽があるわけです。
その喜怒哀楽を織り交ぜながら生活をして、
そのなかで子どもの成長があったり、
親としての成長があるのだと思います。


どの感情も必要があるから人間はもっています。
もちろん「怒る」という感情も。
だから怒ることがない方が不自然だし
それを使わない手はありません。
それでも怒りたくないというのなら
百歩譲って叱ることは必要ではないでしょうか。

もっといえば、叱り、叱られるという親子関係のなかで
その家族特有の価値観、家庭の文化のようなものが共有でき、
絆も深まっていくのではないかと思います。


私は子どもが人にもつ信頼とは、
ほめることや認めることだけで培われるものではないと思います。

ほめられること、叱られること、
怒られること、哀しまれること、
そうしたさまざまな感情に支えられることが大切だと考えています。
叱られ、諭され、フォローされることで
心の揺れを体験し、人に対する信頼感は
醸成されるのではないでしょうか。


ただ、今の時代ですから、
叱り方には工夫があってもよいかもしれません。

叱りつける前に、怒る前に、
ちょっと深呼吸、1呼吸するなりして
感情的になりすぎないように、意識的に怒ってみせるという感じでしょうか。
子どもとは仲の良い友だち関係でいたい
という親御さんもおられるかもしれません。
仲が良いのはいいことですが、
ときには大人として、子どもに厳しく教える役割を
演じることも必要です。


そもそもなんのために子育てをしているのでしょうか。

それは、子どもと友だちになるためではなく、
子どもが社会に出たときに困らないようにするためです。

昔の教育学者は、
「厳にして慈」という言葉で
子育てには厳しさと慈しみの両方が必要だと語っています。


最近は少し違うのかもしれませんが
これまでの日本の家庭教育は、お父さんが厳しさ、
お母さんが慈しみを担うかたちで
バランスよく保たれてきたのではないでしょうか。

「厳しさ」を体現するために
「怒る」ことや「叱る」ことが必要だと思います。

 

 


yamamurasensei

山村 達夫

㈻まこと幼稚園理事長・園長
社会福祉法人藹藹会理事長
福島学院大学福祉心理学部非常勤講師。

大学を卒業後、大学勤務を経て幼稚園の運営に携わる。30歳の時に幼稚園長に就任。35歳の時に社会福祉法人を設立し障害者施設、保育所を設置、現在に至る。教育と福祉を基盤に、実践に裏付けされた臨床的教育研究を行っている。また、障がい者施設・保育園の運営に携わっている。主な著書に、絵本「フィリーがドキドキした夜のこと」(随想舎)、「0歳からのことば育てと子どもの自立」(共著:合同出版)など。