バランスボードで『運動革命』・・?!

 

赤ちゃんがハイハイ、つかまり立ち、一人歩きと成長する過程において、
自分の体を使って色々な事を試し、
そして徐々に高いレベルへとチャレンジする、
連続した経験が欠かせません。

私も小さい頃やっていました。

木を登ったり、塀をよじ登ったり歩いたり、
野原や山で思いきり駆け回ったり、
石や丸太・小川を飛び越えたり。

そういった身体遊びを毎日繰り返して来ましたが、
今、子どもたちは様々な事情から
屋外で過ごす時間が非常に少なくなっています。

身体遊びの醍醐味は、
自分の限界を知り、それを超えていくことです。

それは自分の能力を客観的に評価することで学ぶ、
絶好のチャンスです。

能力の差の壁にぶつかる度に、
子どもたちはそれを確実に自覚し、
自分自身で安全を確保する「危険回避能力」を
身に付けると言われています。

優れた平衡感覚は、
その他の全ての運動・活動の基礎となるものです。
平衡感覚が十分に発達していないと、
路上の遊び場や、スポーツだけでなく、
ごく日常的な場面でも、
行動や反応が不安定になります。

転んだ時、さっと手が出ない、
転んで顔に怪我をするなど、
危険を伴わない状況であっても怪我をしてしまうような原因なのです。

バランスボードは
自分で行動の結果に責任を持つことや、
自分で安全を確保して行動する力を養うのです。

発達とは総合的なものです。
知識と経験は深いところで繋がっており、
思わぬ場面で体験が知識として顕れます。

バランスボードは、
表面の構造や材質も変化に富んでいるので、
色々な知覚による豊かな体験ができます。

 

外観や触感で実際に踏んでみた時の不安定さ、
この組み合わせの体験が感覚と運動の協応として記憶され、
五感ではカバーできない「固有感覚」を育みます。

そして、優れた平衡感覚は
知識・情緒・思考を安定させるためにも高い効果を発揮します。

バランスボードは、平衡感覚はもちろん、
姿勢制御・集中力・足裏の感触までもして遊びます。
外観と質感と実際に体重をかけたときの応力・反力の秩序を
統合された感覚として体験できるのです。

ある状況をうまく乗り越えたという成功体験は、
次の新たなチャレンジできる自信とやる気を生み、
やがてそれは大きな自己肯定感、
「生きる力」へと繋がっていくのです。

 

ボードにバリエーションがありますので、
子どものレベルに合わせられます。

さて、子どもたちは「バランスボード」で
どのように変化していくのでしょうか?
これからが楽しみです。

 

satosensei

都賀保育園

園長

佐藤 圭子(さとう けいこ)

 

自閉症の子どもに関わるようになって保育に興味をもち保育の業界へ入る。
ハンガリーやドイツ、韓国やデンマークの保育園を視察するなど、熱心に業界研究を行い日本の保育の質の向上と子どもたちの豊かな未来を創るために日々奔走している。子どもたちと積木遊びをすることが好きで、ネフ社・ガプラ・WAKUブロックなど様々な積木を用いて、園児たちと遊びを通じた教養に尽力している。子どもにとって良いと思ったモノはすぐに取り入れるため保育用品などを自作で作り上げることもしばしばある。これまでつくりだした保育用品は100点以上に上る。